伊勢の海人の 朝な夕なに 潜くちふ 鮑の貝の 片思にして

万葉集は4516もの歌の数に及びます。歌われた地域は全国つづ浦々に及び、飛鳥、奈良、平安時代に郷が有ったところなど数多くの場所で歌われています。

特に伊勢志摩を題材にした物は30首以上に及びます。当時の志摩には複数の郷があり、その殆どで幾つかの歌が詠われているようです。

ここでは志摩市、大王町を中心とした地域で詠われた物と思われる物を御紹介します。


鮑は志摩の産品として数多く出てきます。

万葉集では「伊勢」と言う名が数多く出てきますが、当時の伊勢国は外海に面して居らず、鮑と伊勢の組み合わせの場合は、志摩の鮑を指します。

万葉集の時代、剥いた鮑を椿の下で売っていたとされています。木簡に名錐郷の産品として剥き鮑が記され、更に大王町、志摩町には椿が海岸沿いや街中まで群生しています。