伊勢の海の 海人の島津が 鮑玉 採りて後もか 恋の繁けむ

「伊勢の海の」が枕詞で、「海人の島津」で「志摩の海人」を指します。「鮑玉」は鮑から捕れた真珠。「志摩の漁師は真珠を採って恋を繋げているのだろうか」という歌です。

真珠の歌は数多くあり、地名が判別できる物はごく僅かです。

 

 

 

鮑玉と白玉

当時から昭和初期にかけての真珠を指します。アコヤ貝真珠の養殖が確立されるまでの間、本真珠と言えばこの鮑玉を指します。

大王町は万葉集の時代から真珠の産地で、名錐郷から鮑玉、名錐郷船越から白玉(自然のアコヤ貝真珠)を数多く送ったという記録が平城京跡から出土した木簡に記されています。

この真珠、一体何に使っていたかというと、風邪薬とか装飾品に使われていたそうです。


島と津

万葉集の時代、志摩は「島」とも記されました。「伊勢島」で「伊勢の志摩」つまり、志摩国を指します。

津は「海」を指します。

この時代、志摩国は伊勢の国司が管理していたため、志摩国を伊勢と記する場合があります。