
大王町は奈良時代に、「志摩国魚切里」(しまこくなきりさと)と呼ばれていました。現在の「波切」は「魚切」が変化したもので古くから魚にちなんだ町である事が伺えます。 「魚切」と書いて何故?と思われる方もいると思いますがその昔、鰹などを切って乾燥し奈良の都に送っていたそうです。都ではカチカチの堅い魚になってしまったため、「堅」+「魚」で「鰹」の字が出来上がったと言うわけで、読みも、「かたいうお」から「かつお」となったようです。つまり、現在のかつお節の原型がここにあったわけです。
漁港は静かな入り江になっています。この漁港も映画の舞台で、「君の名は」では第1部と第2部、島倉千代子さんの主題歌で有名な「この世の花」の第2部に登場します。意外と、「君の名は」の主題歌に出てくる「浜ゆう」はお隣の志摩町の浜ゆうと思われているのですが、第1部の時には歌詞の2番で既に歌われており、本来はこの町の「浜ゆう」を歌ったものだととの事です。
また、当時ロケが行われた、建物も現存していますのでぜひ立ち寄ってみてください。
この世の花では、この付近で島倉千代子さんが映画ロケを行っています。この漁港、今だ映画人に愛されているようで、クルーザーを持った芸能人が良く寄港します。特に、往年の映画スターに好まれているようで、入れ替わり立ち代りお忍びで来られるようです。
さすがに、魚が美味しいようで、近隣でドラマロケを行った際にも、足を伸ばして食事に来られるようです。特に、鰹料理に舌鼓を打たれる様です。
大王町の漁港は古くは江戸時代から海外との繋がりがあったようです。大王崎の沖で遭難するとハワイやシアトルまで流されていき、そこで定住した人も居たようです。この時の様子が「海流」という小説で映画化されています。
また、波切漁港は」石工の町としても知られている大王町の石工達が作った港です。岸壁の石垣は、「未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選」に撰ばれています
波切の名の通り、鰹の水揚げ風景です。近海物の鰹です。
主に地元消費されます。鰹節用とは違い、冷凍せず氷で絞められています。 じつはこの際の絞め方にコツがあり、門外不出だそうです。 この鰹、昭和中期から他の鰹と区別されています。 漁師の間で、「一本釣り鰹」、「一本釣」といえば一本釣りの鰹を指し、「ケンケン鰹」または「ケンケン引き鰹」といえばケンケン引きの漁で採った鰹を指します。
結構短絡した漁師言葉なので聞き慣れないかも知れませんね。 昭和30年代から40年代には小型漁船が多くこのケンケン引きを行う船で、大型漁船は一本釣りを行う漁船でした。
刺身には、主にこのケンケン鰹が用いられ、鰹節には一本釣り鰹が用いられています。 県内のスーパー等では、昭和末期ころから「ケンケン鰹 波切産」などと書かれてパック詰めされて販売されていたようです ケンケン引きでは鰹の他、ブリやハマチなども水揚げされ、「波切の魚」と言うだけで値段が跳ね上がってしまうほどのブランドとなっています。
なぜ、ケンケン、ケンケン引きかというと、2本の大きな竿を水平に張りだし、その先から2本の仕掛けを海に流します。糸の負荷が竿に伝わりケーンケーンと撓るように見えるからの様です。
映画、「この世の花」でも島倉千代子さんが最初に歌を歌った場所に停泊していた船もこの漁を行う船です
漁港内には早朝、出漁した船が昼前には帰ってきています。
意外と昼間は暇なのかと思えば、何処かで漁具の手入れをしているというわけです。
因みに、手前2隻の漁船はケンケン引きを行う漁船で、小さな船は海女の船です。 時々、その船の周囲にフグが群がっていることがあります。海女漁の際、水中を潜っているとよく見かけることから潮騒フグと呼ばれていたそうです。
志摩には、「波切の石工と潮騒フグのいないところはない」という諺があります。 このフグたち、クサフグと、トラフグの幼魚たちの様です。 ショウサイフグを潮騒フグと呼ぶ地域もあるのですが、ショウサイフグとは文様がちょっと異なります。
泳ぐ姿が可愛いのでぜひ水面を見てください。 大抵はクサフグですが、時々、沖合にいるはずのトラフグも混じっているようです。
トラフグと言えば、お隣の安乗漁港は安乗フグで有名です。この漁港からもフグ漁の船が出漁し、お隣の安乗漁港に水揚げを行っているそうです。 小さいときは「潮騒フグ」。大きくなると「安乗フグ」。地元では出世魚だったということですね。
漁港の風景は絵かきさんにとって格好の題材。 奥には灯台も見えるなどのちょっとした雰囲気を醸し出しています。 この地域はドラマ、映画撮影も特に多い地区でもあります。
大王崎の名物。あわびです。
この地方では、あわびはクロアワビ、マダカアワビ、メガイアワビ、トコブシの4種類が捕れます。
その昔、真珠はこのアワビから採っていたそうです。国内最大の天然真珠はここで水揚げされた物です。
万葉集には「伊勢の島津が鮑玉」とこの地域のアワビから捕れた真珠を歌っています。
伊勢海老は志摩の名物。
その昔、志摩の江戸と呼ばれたこの地域から伊勢商人達が売り歩いたそうです。
そこで何時か志摩海老が伊勢海老に名を変えたとか。
志摩の代名詞には御食つ国、美し国というものがあります。
美し国を旅行会社などでは美味しいに置き換え「美味し国」とここ20年来、つかわれているようです。
